「介護職」と聞いて身近なのがホームヘルパー(訪問介護員)です。ホームヘルパーは、介護保険法で要介護・要支援と認定された利用者の自宅を訪問して介護を行う仕事です。仕事の内容は大きく分けて身体介護と生活援助(家事援助)の二つです。
身体介護は利用者の身体に直接触れる介助で、排せつ介助(オムツ交換)、食事介助、口腔ケア、着替え、身だしなみ、車いすなどへの移乗、入浴介助などがあります。これらの介助の準備や片付けも行います。また、利用者が寝たきりの場合は、床ずれ防止のため、体位変換を行うこともあります。さらに、利用者が自分で服薬ができない場合には、服薬介助も必要になってきます。
一方、生活援助(家事援助)は調理や洗濯、衣服の補修、掃除・整理整頓、ベッドメイク、買い物など、日々の生活を送るうえで必要な家事の援助を行う仕事です。調理には、治療食や流動食も含まれます。また、一般的な家事代行の仕事とは違うので、家の大掃除や庭の草むしり、窓の掃除、家族の分の調理や家族の部屋の掃除などは行えません。
家事の得意な主婦なら慣れた仕事が多いのですが、未経験者がすぐにできるわけではなく、ホームヘルパーになるには介護の資格が必要です。民間資格の「介護職員初任者研修」を受講して修了しなければなりません。しかし、難しく考える必要はなく、130時間、基礎知識や実務を学び、最後の試験を受けるという取得しやすい資格なのです。「介護職員初任者研修」は各都道府県の認定する民間スクールで受講できます。ホームヘルパーとして経験を積んだ方は、さらに高度な専門職としての介護福祉士を目指すこともできようになります。